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伊予鉄道には、全国的にも非常に珍しい軌道(路面電車)と鉄道(郊外電車)が平面交差する、通称「ダイヤモンドクロス」が2カ所もあります。古町駅構内と左写真の大手町です。 パッと見には簡単そうなダイヤモンドクロスにも、技術的にはいろいろな問題があります。レールの問題、架線の問題・・・。では、実際に工事がどのようにすすめられたのか、伊予鉄道百年史から見てみましょう。
●優先順位 大手町のダイヤモンドクロスでは、全て郊外電車の高浜線が優先です。路面電車は自動車と同じく踏切待ちをして、郊外電車が通り過ぎるのを待たなければなりません。しかし、古町駅構内は違います。原則的に早いモノ勝ちなのです。路面電車の方が先に古町駅にさしかかると、郊外電車が駅手前で信号待ちをすることもあります。 ●電圧 路面電車も郊外電車もどちらも電車ですから、最も気になるのはやはり架線に流れている電圧でしょう。しかし、路面電車も郊外電車の高浜線もどちらも600ボルトのため、特に問題はないのです。ちなみに、郊外電車でも郡中線や横河原線の場合は750ボルトになっています。 ●見てみたい! 実際に電車がクロスする場面を見てみたいのなら、古町駅構内より、互いが直角に交差する大手町がお勧めです。ただし、何時何分頃に交差するのかはわかりません。基本的に郊外電車は定時運行ですが、路面電車は交差点での信号待ちによって定時運行ができないためです。なお、郊外電車高浜線の大手町ダイヤモンドクロスの通過時間は、毎時2分、17分、32分、47分(2000年9月1日現在)ですから、その時間頃に行ってみてみてはいかがでしょう。 ちなみに、電車内から見てみる場合は、断然路面電車内からをおすすめします。 ●全国のダイヤモンドクロス 現在も残っているダイヤモンドクロスとして有名なのは、伊予鉄道以外では土佐電気鉄道のはりまや橋(軌道線同士)があります。近年であれば1980年代半ば頃まで残っていた阪急西宮北口の神戸線は知名度が高かったようです。また、京阪本線と京都市電(七条と四条にそれぞれ存在)や、京福叡山線(現:叡山電鉄)と京都市電とのクロスがありましたが、いずれも1970年代の京都市電廃止により解消しています。そのほか、西鉄にも大牟田線と福岡市内線とのダイヤモンドクロスが存在したほか、神戸には長田で山陽電鉄と神戸市電のクロスが存在したとのことです。なお、横浜のように路面電車網が発達していた土地であれば、軌道線同士の平面交差は珍しくなかったほか、貨物線・専用線・工場への連絡線などと軌道線・鉄道線の交差という例は東京、大阪など各地にかなりあったようです。ただ、旅客線同士のクロスに限れば、上記に挙げた例以外は早い時期に消失してしまった所が多く、さほど例はないようです。 |